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2010.9.22 水木亮氏「艶笑唄−地方に残る生と生の労働歌」刊行。

この本は、演劇に、伝統民俗芸能に、小説にと精力的に活動してきた氏の代表的な著作になるかもしれない。

副題の示すとおり、農作業などの中に残る唄、それも民衆の過酷な生活実態のはけ口としての率直なセクシャルな唄たちが、ここにはあふれている。

ここにあるのは赤裸々なエネルギーに満ちた必要不可欠な性であって、遊興的な性とは別物だ。

江戸の破礼句などとは異なる印象を受けるのも、性を希求する切実さによる。

窓社 ISBN978-4-89625-099-2  A5版 260ページ 2500円
水木  亮 (みずき・りょう)
 1942年(昭和17)、北朝鮮に生まれ、終戦で山梨県に引き揚げる。高校教師となり83年にアマチュア劇団「コメデイ・オブ・イエスタデイ」を創立し主宰する。山梨県に関わる歴史上の事件、人物などを創作劇として書き下ろし上演。99年、小説「祝祭」で第16回織田作之助賞。「お見合いツアー」で第49回農民文学賞。目下の関心は、江戸時代から農民が伝えてきた生活に密着した歌謡。そこには農民のエネルギーの源泉がある。「文芸思潮」エッセイ賞選考委員。
右:『祝祭』(山梨日日新聞社,年月)
三神  弘 (みかみ・ひろし)
 1945年(昭和20)、甲府市生まれ。法政大学中退。コピーライター、広告代理店ディレクターなどを経る。1882年、「三日芝居」で第6回「すばる」文学賞受賞。著書『三日芝居』(集英社)『花供養』(集英社)『月と五人の男』(集英社)作品「桃源郷」(すばる)「水を飲む影」(すばる)「幽霊達の肖像」(すばる)など。「文芸思潮」エッセイ賞選考委員。法政大学非常勤講師。
右:『三日芝居』(集英社,年月)

福岡 哲司 (ふくおか・てつし)
 1948年(昭和23)、甲府市生まれ。山梨大学教育学部国文科卒。県立高校教諭から山梨県立図書館長、山梨県立塩山高校長ほかを歴任。94年、『評伝 深沢七郎ラプソディ』(ティー・ビー・エス・ブリタニカ)で第3回開高健賞奨励賞を受賞。著書『本の本』(山梨ふるさと文庫)『近代山梨の光と影』(山日ブックス)など。「文芸思潮」エッセイ賞選考委員。都留文科大学非常勤講師。
右:評伝『深沢七郎ラプソディ』(ティー・ビー・エス・ブリタニカ,1994年7月)
五十嵐 勉 (いがらし・つとむ)
 1949年(昭和24)、山梨県生まれ。74年 早稲田大学文学部文芸科卒。79年、「流謫の島」で講談社「群像」新人長編小説賞を受賞。84〜90年、タイ滞在。カンボジア国境などで難民を中心に東南アジアを取材。この間、タイ仏教の僧侶も体験。タマサート大学日本語講師。87年、バンコクで「東南アジア通信」を創刊。91年、帰国。93年、「アジアウェーブ」創刊。95年、「微笑みの国タイ」出版。96年、「アジア文学」創刊。98年、「緑の手紙」で第1回インターネット文芸新人賞最優秀賞を受賞。2001年、「鉄の光」で健友館文学賞受賞。02年、「鉄の光」出版。05年「文芸思潮」創刊。作家集団「塊」メンバー
右:『流謫の島』(講談社,1980年3月)

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